『ナイトクローラー』
2015/9/9(Wed)@横浜ブルク13
<作品データ>
原題:Nightcrawler
製作年:2014年
製作国:アメリカ
配給:ギャガ
上映時間:118分
映倫区分:G
オフィシャルサイト<スタッフ>
監督:ダン・ギルロイ
製作:ジェニファー・フォックス、トニー・ギルロイ、ミシェル・リトバク、ジェイク・ギレンホール、デビッド・ランカスター
製作総指揮:ゲイリー・マイケル・ウォルターズ、ベッツィー・ダンバリー
脚本:ダン・ギルロイ撮影:ロバート・エルスウィット
美術:ケビン・カバナー
衣装:エイミー・ウェストコット
編集:ジョン・ギルロイ
<キャスト>
ジェイク・ギレンホール:ルイス(ルー)・ブルーム
レネ・ルッソ:ニーナ・ロミナ
リズ・アーメッド:リック
ビル・パクストン:ジョー・ロダー<あらすじ>
まともな仕事にありつけず軽犯罪で日銭を稼ぐ男ルイスは、偶然通りかかった事故現場で報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知り、自分もやってみようと思い立つ。早速ビデオカメラを手に入れたルイスは、警察無線を傍受して事件や事故の現場に猛スピードで駆けつけ、悲惨な映像を次々と撮影していく。過激な映像で高額な報酬を得るようになったルイスは、さらなるスクープ映像を求めて行動をエスカレートさせていき、ついに一線を越えてしまう。
・・・以上映画.comより
予告編。世界観は『タクシー・ドライバー』+『ドライブ』を狙ってる?と思いました。
★★★★★★★☆☆☆(7点)
すみません。昨日、下書き中のものを間違ってアップしてたみたいですね・・・。着替えを見られた気分です。
気を取り直していきますか。まあ、この映画はジェイク・ギレンホールさんの演技に尽きますね。7点にしましたけど、点数以上にスクリーンに釘付けになりました。気持ち悪い!かなり!(笑)
やっぱり思い出すのは・・・
冒頭、ジェイク・ギレンホール演じる主人公ルイスの対人シーンが何回かありますが、その怪しさ加減にまず引き込まれます。目の前の人間と会話してるにも関わらず、どこか一方的で独り言っぽい。明朗な語り口でありながら、自分の思いと異なった時の粘着質な感じ。観ている側は「あ、こいつヤバイな・・・」と思うと同時に作品への期待感が膨らみます。そう、その期待感は間違いなく『タクシードライバー』の主人公トラヴィスに起因するわけです。ルイスは現代版トラヴィスなのか?
トラヴィスとの違い
トラヴィスは周囲に適応することが出来ずに社会を恨んでたわけですが、一方ルイスはそうではないですね。そしてルイスは自分に自信をもっている。「相手が何を望んでいるか」「相手の弱みは何か」洞察力を武器にどんどんのし上がっていきます。そのまっすぐさは痛快ですらあるんですよね。但し、手口はエグい。
最大のポイントは、トラヴィスが死ぬほど恨んだ「社会の歪み」をルイスは利用しているんですよ!つまり、ルイスはトラヴィスとは違う。目的の為には手段を選ばないこの姿勢はむしろ『ハウス・オブ・カード』のフランシス・アンダーウッドと近い!
エンディング、こうだと思います。
そして、どこか爽やかで新卒社会人の研修時に見せてもおかしくないような、それまでのストーリーを踏まえると「物足りなさ」すら感じるエンディング。ここには恐ろしいメッセージが2重構造で隠れてると思いました。まず、1つは「成功者の中にはこんなやつもいるんだよ」というメッセージ。これは容易に汲み取ることが出来ますね。それを感じた僕らは「世の中ってほんとクソだな」と思うわけです・・・が!そのクソな世界の根源は「更なる刺激を欲しるジャンキーと化してる人間ども」っていう話を私達は劇中でさんざん見せられてきたわけですよね…そして今、このエンディングに物足りなさを感じている僕ら・・・。
「クソ社会の根源はお前のそういういびつな欲望なんだよ!どーん!(喪黒 福造)」
と、僕らが言われてるとすれば、間違いなくそれは図星で、なんて映画だ!ってなりますね。
もし監督にその意図があったとすれば、それを是非、映像で表現して欲しかった!最後、ルイスが「そういう顔」をすれば良いんですよ!それがどういう顔か・・・観たかった・・・。
これ、続編予定無いんですかね。是非やって欲しいなあ。じゃないとこんな経営者が世の中にはびこり続けちゃうよ・・・。