shinkato vs. the world

日記とかを不定期に書きます。

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』

2015/8/4(Tue)@109シネマズ川崎(IMAX/2D)

2015/8/6(Thu)@TOHOシネマズららぽーと横浜

<作品情報>

 製作年:2015年
 製作国:日本
 配給:東宝
 上映時間:98分
 映倫区分:PG12
 ハッシュタグ:#映画進撃の巨人
 オフィシャルサイト

 <スタッフ>

 監督:樋口真嗣
 特撮監督:尾上克郎
 原作:諫山創
 脚本:渡辺雄介,町山智浩
 製作:市川南,鈴木伸育

 共同製作:中村理一郎,原田知明,堀義貴,岩田天植,弓矢政法,高橋誠,松田陽三,宮田謙一,吉川英作,宮本直人,千代勝美
 エグゼクティブプロデューサー:山内章弘
 プロデューサー:佐藤善宏
 ラインプロデューサー:森賢正
 プロダクション統括:佐藤毅,城戸史朗
 撮影:江原祥二
 照明:杉本崇
 美術:清水剛
 録音:中村淳,田中博信
 扮装統括:柘植伊佐夫
 装飾:高橋光
 特殊造型プロデューサー:西村喜廣
 スタントコーディネーター:田渕景也
 編集:石田雄介
 テクニカルプロデューサー:大屋哲男
 VFXスーパーバイザー:佐藤敦紀,ツジノミナミ
 音響効果:柴崎憲治
 音楽:鷺巣詩郎
 主題歌:SEKAI NO OWARI
 スクリプター:河島順子
 助監督:足立公良
 制作担当:斉藤大和
 音楽プロデューサー:北原京子
 撮影(特撮セカンドユニット):鈴木啓造,桜井景一
 照明(特撮セカンドユニット):小笠原篤志
 美術(特撮セカンドユニット):三池敏夫
 操演(特撮セカンドユニット):関山和昭
 スクリプター(特撮セカンドユニット):黒河内美佳
 助監督(特撮セカンドユニット):中山権正

<キャスト>

 三浦春馬(エレン)
 長谷川博己(シキシマ)
 水原希子(ミカサ)
 本郷奏多(アルミン)
 三浦貴大(ジャン)
 桜庭ななみ(サシャ)
 松尾諭(サンナギ)
 渡部秀(フクシ)
 水崎綾女(ヒアナ)
 武田梨奈(リル)
 石原さとみ(ハンジ)
 ピエール瀧(ソウダ)
 國村隼(クバル)
 高橋みなみ
 KREVA

<あらすじ>

100年以上前、突如現れた巨人たちに人類の大半が捕食され、文明は崩壊。生き延びた人々は巨大な壁を三重に築き、その中で暮らしていた。壁に守られた安寧とした生活に苛立ちを覚えるエレンは、まだ見ぬ外の世界を夢見ていたが、ある時、そんなエレンの目の前に人類の想定を超える超大型巨人が出現。壁の一部を破壊し、そこから巨人たちが町になだれ込んでくる。

 

※映画.comより

 予告。こんなのはじめてぇぇぇー


「進撃の巨人」予告 - YouTube

☆☆(5点)

 

いやー感想を書くのに時間がかかってしまったし、色々気になって2回観てしまいましたよ。 明日になればまた考えが変わるかもしれないし、暑くて疲れたし、更新するの辞めようかなと思いましたが、見切り発車でも、俺はこの時点でこう思っていたってことで記録には残しておきます。

※若干ネタバレあると思います

立体機動装置、俺ならこうした

実写版の成功のカギを握る要素の一つだった「立体機動装置」。

www.youtube.com

巨人たちを倒すために人間が知恵を結集して形となったそれは、巨人や主要人物と同様に「登場シーン」に重きを置くべきでしょう。本編で立体機動が最初に登場するのは石原さとみ演じるハンジが外壁再建団の兵器隊長として決起を促す際に「われわれにはこの立体機動装置がある!」で、チラッと登場するのだが、それだけでこの場面は終了。何シーンか後、外壁再建団がオモテマチへと出発した後、道中(巨人が現れたときだったかな)で改めてハンジが立体機動の説明をし始める。つまり、ぼんやり登場してしまっていると思う。

ここは開き直って、原作に無くとも立体機動装置開発工程の一部もしくは完成の瞬間だけでも良いので劇中に組み込んで欲しかったです。オープニングの巨人が現れた後くらいが良いかもしれない。人類絶滅の危機に直面し、悲壮感の中でも、激論を戦わせながら取り組む開発陣。その中にハンジがいても良いと思う。このシーンはかつて「モノ作り大国」と呼ばれていた日本、つまり私たち自身へのオマージュとするのです。世界向けて発信すべき作品なんですからこれは。

立体機動がついに完成した時、開発リーダー(彼もまた家族を巨人に喰われたことにしましょう)が「これで技術的には巨人を必ず倒せる。あとはこれを使い、巨人と戦える人間が現れてくれるのを・・・」的なことを言い、巨人と戦う為に「必要なもの」を匂わすのです。

本編ではエレンが終盤に「ついに羽ばたいた」的な演出がありますよね。その絵自体にはアガリましたが、エレンがついに羽ばたいた「理由」をもっと明確に示して欲しかったです。というかよくわからなかった。ミカサは生きてたし、巨人を憎む理由半減では?まさかこの状況でシキシマにミカサを取られたジェラスで飛べた?いや、自分自身のウジウジ加減に対する怒りのようなもの?とか、なんかハッキリしない。あ、でもシキシマの「家畜じゃないなら飛んでみろ」のとこかなあ‥。にしてもあの家畜発言も唐突だったよな‥とか。

まあここは「終盤に至るまでエレンには立体機動で戦う為に必要なものが備わってない」とし、あることをきっかけにそれをついに獲得した時、エレンは立体機動装置と共に羽ばたく。そういう話運びにすれば・・・や、本編もそうなってたのかもしれないですがもっとキッカケ部分を明確(シンプル)にすれば、開発リーダーの「戦える人間が・・・」の言葉も相まって、エレンの成長にガン上がりでしょう。

立体機動装置は、平和を信じていた人間達が巨人に打ちのめされ、再び立ち上がる「象徴」なのですから、そのぐらいの重きを置いても良かったと思います。 

 

本当に残念過ぎる人物描写。でも嫌いになれない。

人間同士のシーンの話の運び方は「全て」と言っていいくらい残念でした。
言葉一つ一つに力はあるものの、そこに至るまでの流れが唐突すぎたり、不自然で伝わりにくかったり、力強い言葉も効力を失っていました。
脚本は『20世紀少年』『GANTZ』『ジョーカー・ゲーム』等で知られる渡辺雄介氏と映画評論家の町山智弘氏の共同クレジット。僕は本編の台詞やシチュエーションの多くに「町山さんテイスト」を感じました。が、それが上手く機能しなかったと思います。

例えば町山さん本人がこの物語を語った場合、やっぱり面白いと思います。現に面白いです。


【必見】町山智浩 実写版「進撃の巨人 Attack On Titan」たまむすび - YouTube

町山さんは徹底した調査で裏付けされた事実を元に、その息遣いや話し方の強弱を織り交ぜながら僕たちに映画を通じて「何か」を教えてくれる人だと思っています。

その町山さんがシナリオとして表現した言葉やコミュニケーションは、登場人物たちに投影したとはいえ、やはり町山さんでした。それに気づけた時は本当に嬉しかったです(間違ってるかもしれないですが)。しかし、劇中の登場人物達は原作において既にキャラ立ちしている為、町山さんの言葉をそのまま発することで、違和感に繋がってしまったのかも知れない。町山さん含め制作側が考えた「魂」の部分を登場人物達の行動や言葉に上手く反映しきれていなかったのではないでしょうか。エレン、ミカサ、ジャン、ハンジ、シキシマ、・・・ひとつの思いを伝えるために熱い言葉放つ者もいれば沈黙で表現する者もいる。町山さんが脚本で表現した「魂」の部分を登場人物それぞれの言葉や演技に落とし込むという段階があれば(もしくは時間をかければ)もっと自然だった気がします。

悪い意味で脚本を重視しているように感じとれた点として、セリフに動きが縛られてしまっているような気がしました。シナリオとして読んだ時には不自然さは無いのでしょうが、エレンたちが食事の列に並びソウダと再開、列を渋滞させるシーンはサシャの「まだですか?」のタイミングが遅すぎて明らかに不自然だったり、冒頭の話の運び方も、てんやわんやの中で巨人登場っていうのがちょっと残念でした。

ただ、そんな中でも、石原さとみ演じるハンジには脚本やキャラクターを理解し、自分なりに昇華しようとする姿勢が感じられたし、実際できていたと思います。

まあ、そんなめちゃくちゃな話運びでもやはり嫌いにはなれないですね。悪い方向に作用したと思ってしまいながらも町山さんの言葉を感じ取れたから。もし原作ファンで、町山さんのことを知らなかったら、そうは思えなかったのかもしれません。「好きな人がやったことならなんでも許すのか?」や、そういうことじゃないです。僕らが期待していることを町山さんはやってくれたと思います。それが映像として生まれ変わった時にストレートに表現できなかったという映画製作の難しさだと思います。

 

原作を超える瞬間は間違いなくありました。

巨人の登場シーン、あの恐怖映像は間違いなく原作を超えることが出来てたと思います。エレン、もっと変な顔するぐらい驚けよ!!って思いました(笑)巨人のシーンは全編に渡って大満足です。そしてエンディングのタイトルクレジット、ガン上がりしましたし、後編の予告でタイトルどかーんも「うわーうわー」って興奮しましたよ。

 

ひとつわからないのが死んだ巨人を見ながらハンジの「だから巨人はうなじが弱点なんだ・・・」という終盤のセリフ。うなじが弱点な理由、わかりませんでした僕は。巨人のうなじには元々の人間が入っているから?でもソウマさんはあのとき、「薄く切れ!」みたいなこと言ってた気が。それは中のエレンを刺さないようにする為?だとしたらそれじゃ、巨人は死なないのでは?すみません。多分ここは僕の理解不足です。

 

・・・という感じですが、それにしても自分がこの映画を「どう理解したか」それを文章にするのは本当に難しいですね。文章に書くってことは、この時点で自分の見解を決定するってことですから。本当に俺が思っていることを書けてるか?書けてない気がします(笑)

でも間違いないことはひとつ、まだ終わってないから!後編、超楽しみです!

 

<参考>

・劇場パンフレット

・原作(1巻~4巻をベースにしたそうです)

進撃の巨人(1)

進撃の巨人(1)