『007 spectre』
そういえば今年は元旦に『バンクーバーの朝日』を観たんだよな。亀「お前、何かやろうとしているな…」妻「ああ…」このやり取り…一人で過ごす正月に追い打ちをかけるような寒気を感じてスタートした2015。でも2月に我らが入江悠監督の『ジョーカー・ゲーム』で亀が盛り返し、『百円の恋』『セッション』のバッチバチな春先で一気に火が付き、そこからは怒涛の傑作ラッシュ…まー今年は大豊作でしたよね。
という感じで、12月11日にもなると振り返りをしたくなってしまうのが通常だが、それはまだ早いんですよね。スターウォーズもありますしさー、グリードも、完全なる~も気になるし…。振り返るのは元旦まで取っとこう。
ところで、マイホームグラウンドTOHOシネマズららぽーと横浜ですが、気づいたら4DXが導入されてましたよ!
IMAX導入の方がうれしいけど、まあ未体験なので楽しみ。記事タイトルを見る限りではこれもスターウォーズ効果ですかね?いやーそれにしても、スターウォーズ熱は今が最高潮ですね。JJエイブラムス監督が率いて主演キャストが来日し、街を歩くとクロックスだったり、FOREVER21だったり、コンビニだったり、至る所で見かけるキャラクター達…横浜そごうのスターウォーズ展も行かなければ。ヒルズの時よりも展示が多いらしいし…って感じで、いよいよ来週に迫った公開に準備の余念がない映画ファンの皆さまといったところでしょうが!このタイミングで、またしても今年ベスト級の大傑作クロスカウンターを食らってしまいました!
『007 spectre』
2015/12/9(Wed)@TOHOシネマズららぽーと横浜
<スタッフ>
監督:サム・メンデス製作:バーバラ・ブロッコリ,マイケル・G・ウィルソン
製作総指揮:カラム・マクドゥガル原案:ジョン・ローガン,ニール・パービス,ロバート・ウェイド
脚本:ジョン・ローガン,ニール・パービス,ロバート・ウェイド,ジェズ・バターワース
撮影:ホイテ・バン・ホイテマ美術:デニス・ガスナー
衣装:ジャイニー・テマイム
編集:リー・スミス
音楽:トーマス・ニューマン
主題歌:サム・スミス
<キャスト>
ダニエル・クレイグ:ジェームズ・ボンド
クリストフ・ワルツ:オーベルハウザー
レア・セドゥー:マドレーヌ
レイフ・ファインズ:M
モニカ・ベルッチ:ルチア
ベン・ウィショー:Q
ナオミ・ハリス:マネーペニー
デビッド・バウティスタ:ヒンクス
アンドリュー・スコット:C
ロリー・キニア:タナー
イェスパー・クリステンセン:ミスター・ホワイト
ステファニー・シグマン:エストレラ<作品データ>
原題:Spectre
製作年:2015年
製作国:アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間:148分
映倫区分:G
予告編。ジャージャッ!ジャーン ジャージャッ!ジャーン…アガらない人がいるでしょうか?
★★★★★★★★★★(10点)
◆過去シリーズとダニエル・クレイグの摩擦、その圧倒的回答!
007シリーズの昔からのイメージは「スパイアクション」と「遊び心のある男」という点だと思いますが、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドになってから、そのバランスがかなりシリアス路線に偏り、長きにわたる007ファンからも「ダニエル・クレイグ版は007ではない」という意見が後を絶たなかったわけですが、その一方で2012年にサム・メンデスがメガホンをとった『スカイフォール』は007ファンに留まらず映画ファンから絶大な支持を獲得し、僕もその中の一人でやはり『スカイフォール』が007の中では一番好きです。
しかしながら、やはり『スカイフォール』の時点では「ジェームズ・ボンド像」にブレがあるように「見えた」かもしれない。「そんなに真面目にやってどうすんだよ、人生楽しまないと。じゃ、これから彼女と約束があるんで。」歴代ジェームズから、ダニエル・クレイグへ向けてそんな声が聞こえてきそうな気もする。
そして本作。スカイフォール派としては正直過去のボンド像と決別が一番安易だと思っていたのだが。過去のジェームズからの皮肉(俺が勝手に想像してるだけですが笑)に対し、圧倒的な回答を提示していました。
その回答とはズバリ「俺はジェームズ・ボンドだ」ってことです。『スカイフォール』の時、ジェームズ・ボンドは苦悩の時期だったのかもしれない。そこを乗り越えた、彼の「人間味溢れる姿」これが物語の随所にありました。それはかつてのジェームズ・ボンドが持ち合わせていた「洒落」に通じるものだったし、それでいて『スカイフォール』から継承されてる肉体的な美しさや躍動感は健在。非の打ちどころが無かったです。ダニエル・クレイグが正真正銘ジェームズ・ボンドであることが証明されたと言って良いでしょう。全てのファンが「彼は007史上最高!」と大手を振って言える時が来たのではないでしょうか!
◆まさかの『スカイフォール』更新 かも
『スカイフォール』を思い出したときに浮かぶものを今回と比べてみると、まずは一番最初に思い浮かぶ、オープニングのアクションからの主題歌の流れ。
(先日、金曜ロードショーで地上波初オンエアされ、「くる…くるぞ…」って期待が高まったその瞬間ばっさり切られたとこ。全編通じてここが一番好きって人、たくさんいますよね!やるならちゃんとやれよ…)
これ以上はないだろうと思ってましたが、今回、恐ろしいことに全くひけをとってないです。いや、むしろアクションの手に汗握る感は上回ってるかもしれません。この時点で、興奮を抑えるのに必死ですよ観ている側は(笑)
あと、敵のボスの登場シーンなかあ。『スカイフォール』は、ねずみの話をしながら椅子に縛られたボンドの元に歩いてくるシルヴァの長回しシーン。あれもじわじわ不気味で最高でしたが、今回もまた素晴らしいんだよな…。「うわっ」意表をついて現れる男がしかもクリストフ・ワルツですからね…。ふぉー!って感じです。
そして『スカイフォール』では抑えられていた女性の活躍。今回ここが飛躍的に伸びてて最高です。しかも「ボンドに関わった女って不幸になるよね」っていうファンの間でも言われているこの説に言及しちゃってます。物語の重要なカギを握る女性の活躍とボンドとの絡み、まさに007なんです。
とかとか、とにかく最高でしたよ!
ぜひ、ダニエル・クレイグ版を復習した上で、観てください!